バロック音楽

最近の若者中心のクラシック音楽愛好家の楽しみ方は一昔前と大分違ってきています。かつて一番親しまれてきたモーツアルト、ショパン、シューベルトはやや後退し、マーラー、ブルックナーなどに好みが移ってきました。つまり旋律の繊細な美しさをじっくり楽しむより、音を感覚、肌で聴く激しいものの方が良いと言うことなのでしょう。ところが反面、意外なことにもてはやされているのがバロック音楽です。バロックとはもともと形のいびつな真珠の意味で、音楽では17世紀ごろまでの声楽中心の単純で静的な音楽を自由で表現的なものに変え、強弱のはっきりしたドラマティックなものにしました。その総決算をしたのがバッハとヘンデルです。バロック音楽といえば単調で退屈なものと考えがちですが、音楽史上では輝かしい時代だったわけです。それが、そのあとに迎えた古典派、ロマン派という発展からいかにも古い感じを与えるのですが、音楽愛好家たちがいずれの時代から入ってもひと通りの音楽の楽しみを理解すると、結局バッハに帰るといわれるのも、その辺の事情を物語っているのでしょう。当時のイタリアではオペラが盛んで、そのオペラの序曲や間奏曲などから弦楽中心の器楽が起り、現在の協奏曲の様式もつくられて行きました。また、ドイツではバッハ、ヘンデルが現れ、イギリス、フランスでもオペラ、器楽の新しいスタイルが作られて行きました。最近の好みではこのバロック音楽もどちらかといえばBGMとして聴く傾向が強く、マーラーやブルックナーの激しさの対照的な形で楽しんでいる感じが強くなっています。その代表的なものがビバルディの四季でブームといわれるほどもてはやされ、レコードもロングセラーを続けているのは四季の区別の明らかな日本で、だれでも楽しめる要素を持っているためかもしれません。

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