那楽

那楽とは日本の伝統的音楽のことを指しています。日本の場合には音楽は階級と密接に結びついていて、江戸時代までは宮廷では雅楽、武士階級では能楽、庶民階級は例えば小唄、端唄など歌舞音曲を楽しんでいました。雅楽は中国、朝鮮から渡ってきたものですが、すっかり日本化した日本の雅楽として千数百年間も伝統を保っています。横笛、笙、ひちりきの管楽器、和琴、琵琶、筝の弦楽器、太鼓、鉦鼓、三の鼓、羯鼓の打楽器が使われます。また能は中国から伝わってきましたが、農民が田の神を祭るために演奏した田楽などの要素もとり入れられ、徳川幕府の保護もあって芸術的な幽玄さを求めて洗練されたものとなりました。能管、小づつみ、大づつみ、太鼓を使い、立方、地謡、囃子の三部から成っていて、立方にはシテ、ワキ、ツレ、子方、ワキヅレ、アイなどのいろいろな役があります。庶民階級が楽しんだ音楽としては、江戸時代が集大成された時期で、三味線、琴が代表的なものでした。三味線では浄瑠璃、長唄、端唄、小唄、地歌などがあります。このほか那楽には物語的な琵琶や尺八も忘れることができません。那楽についても分けようと思うと雅楽、能はさしずめクラッシック、庶民音楽はポップスといえるでしょうが、例えば歌舞伎などは昔なら当然ポップスだったものが、いま残されてものは非常に洗練されて芸術的要素ももち、クラッシックといってもおかしくありません。ただし、古くから伝えられている民謡的なものや、琵琶など庶民性の強かったものについては伝統芸能という言葉も使われ、民謡は那楽とは別に考えている人もいるようです。

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