ロマン派
多彩な音楽家たちが古典派のあとを受け継いで個性を強調したのがロマン派時代です。口火を切ったのは歌曲と歌劇ですが、この部門ではシューベルト、フォーレ、チャイコフスキーが歌曲を、またウェーバー、ワーグナー、ベルディが歌劇を育て上げて行ないました。ウェーバーは民謡をとり入れ、ワーグナーはオペラを総合舞台芸術とし、オーケストラも舞台同様に重要視しました。交響曲はハイドン、モーツァルト、ベートーベンによって完成された形になりましたが、ブラームスがベートーベンを受け継ぎながらロマンの香りをただよわせる作品を世に送りだしました。楽器の発展は作曲だけでなく演奏面においてもロマン主義の花を咲かせました。個性の開花は技巧の向上を招き、聴衆もそれを要求しました。ピアノではリスト、バイオリンではパガニーなどがその例として上げられます。彼等はそれまでには考えられなかったようなテクニックを披露し聴衆を驚かせただけでなく、自ら作曲し演奏法の研究を行ないました。ロマン派は個性の強調ではありましたが、同時に現れた傾向として民族主義のたかまりも忘れることができません。チェコスロバキアのスメタナ、ドボルザーク、ロシアのボロディン、ムソグルスキー、チャイコフスキー、リムスキーコルサコフ、フィンランドのシベリウス、フランスのサンサーンスなど民族舞踊や民謡に結びついた個性豊かな作品を書き、またポーランドのショパンのように民謡にも基づくだけでなく愛国の情をほとばした者もいます。ロマン主義音楽を基礎とした個性の解放は、それぞれの中に秘めた民族の血を解放したことにもなります。
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