バイオリン協奏曲
協奏曲とか室内楽はそれほど聴こうと思わない人達でもメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲のメロディだけは耳にしていることが少なくありません。それほど愛されているのが正式にはバイオリン協奏曲ホ短調作品64です。バイオリン協奏曲の名曲といえば、ベートーベン、ブラームス、それにこのメンデルスゾーンの3曲が上げられますが、メンデルスゾーンの名がベートーベン、ブラームスと並んで上げられるのはこのバイオリン協奏曲に限られているようにさえ思われ、それほど優れた作品といえます。憂いを秘めた甘く美しい旋律はとくに日本人の感覚に合うらしく、この曲を好む人が多い。メンデルスゾーンは銀行家の長男としてドイツのハンブルグに生れ、4歳の頃に母からピアノの手ほどきを受け、13歳ころベルリンで自作品の公開演奏を行なって天才ぶりを披露しました。作品は交響曲、協奏曲、室内楽、独奏曲、歌劇、歌曲と多岐にわたっていますが、活躍した音楽の分野は作曲だけでなく、演奏家としてはピアノ、オルガンの奏者のほか指揮者としてもすぐれ、同時に音楽教育の面でも功績を残しています。作曲家はえてして不幸な生涯を送る例が多いのですが、メンデルスゾーンほど恵まれた一生を送った作曲家は、そうはいないようです。耳が聞こえなくなったベートーベンや赤貧に悩まされたシューベルトなどを考えるとますます彼の幸せさが目立ちます。幼い頃より良い先生につき、経済的な苦しみもなく過ごし、才能を十分に発揮することもできました。このような生涯が反映してメンデルスゾーンの華麗で明るい作品になったともいえそうです。
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